ジュネーブでは、レマン湖畔の小さなホテルに泊まっていた。
その日の夕食は気分を変えて、湖畔の中華料理へ行った。
食後、ブラブラと湖のプロムナードを散歩して帰った。
部屋で鞄をベッドの上に下ろした時、
チャックが開いているのに気づいた。
「しまった。やられた」、財布が見当たらない。
幸い、盗まれた財布には多少の現金が入れてあっただけだった。
遅い時間だったので、
どうしたらいいのかは明朝フロントで聞いてみることにした。
「おはよう、昨晩スリにあって財布を盗まれたけれど」
私が話終わらないうちに、
フロント係がカウンターの下から見覚えのある財布を出した。
「女性の方が、ホテルの前に落ちていたと,届けてくれました」
「ホテルの名刺が入っていたのでと、おっしゃていました」
「この辺りは、スリが多いから気をつけて下さい」
フロントマネージャーはウインクして、空っぽになった財布を渡してくれた。




